佐々木隆仁が語る過去と未来9

ソフトウェアベンダーとして、ようやく軌道に(1999年~)

お客様、市場のニーズに応える

振り返ると、最初はパソコンが普及します。次にスマートフォンの時代になって、インターネットのスピードがどんどん速くなってきました。このような時代や技術の変化に合わせて、サービスのレベルを上げてたり、お客様が本当に必要とするサービスを提供してきたことが、我々がやってきたことだと思います。これこそが、ビジネスを継続していくうえでは、いちばん大事なことではないかと思います。

お客様が何を求めているかを見える環境があるかどうかが、とても大事だと私は思っています。規模が大きくなっていくと、次第にそれが見えなくなっていきます。お客様のニーズが見えなくなると、ビジネスが非常に難しくなります。

私が最初に入ったコンピュータメーカーでも、壁に貼ってあるんです。「顧客第一主義」とか。しかし、大企業で仕事をしていて、実際にお客様に1年に1回も会うことはありません。開発作業であったので、山奥みたいなところに籠って、ほとんど誰にも会わないで、数年間、開発をするなんていうのはあたりまえの世界でした。自分でも作りながら、わからなくなってしまうのです。頭ではわかっていても、実際のお客様の顔は見えないんです。そんな環境でモノ作りをしていて、いいものを作ろうとしてもきわめて難しいです。かといって、お客様寄りのところで仕事をしていると、SEみたいな仕事しかありません。製品開発に辿り着けません。大企業の組織はそこが問題点で、大きな仕組みのなかでモノ作りをしていくとサイクルも非常に大きくなるし、お客様のニーズを拾って、モノ作りをするという距離が離れてしまいます。結果、よいものを生み出すのが難しくなるのではないかと思います。それが、実際にやってきて感じることです。

やはり大事なことは、市場のニーズをいつも感じながら、さらに最先端の技術が何かを把握し、世の中にどういう技術が出てくるかを理解したうえで、何を作っていけばいいかの意思決定を行う必要があると思います。そういったニーズや環境に適合する製品・サービスをどうやって生み出していくか、そして、うまく作っていくかが大事ではないかと思います。

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